式根島
青い海、秘湯の冒険、最高の夏休み。【式根島 地鉈温泉】
昨日までの東京の忙しさがウソみたい。今、私は式根島にいる。
泊海岸で、まるで海外のリゾートみたいなエメラルドグリーンの海に友達とはしゃいで、カメラのフォルダーを笑顔でいっぱいに満たした後、私たちは次なる目的地へ向かった。
島風を全身に浴びながら電動自転車を漕ぐだけで、なんだか笑いが込み上げてくる。
お目当ては、島の人たちが「内科の湯」と呼ぶ秘湯、地鉈温泉。
入り口に立った瞬間、思わず足が止まった。
目の前に広がっていたのは、まるで巨人の斧で大地を真っ二つに切り裂いたかのような、ダイナミックなV字谷。そのはるか底へと、長い階段が続いている。
「ねぇ、本当にこの先に温泉があるの……?」 ちょっとした大冒険に出るみたいで、ドキドキしながら一歩ずつ階段を下りていった。
下りるにつれて、波の音と、鼻をくすぐる濃厚な硫黄の香りがだんだん強くなっていく。
階段を商みきった先には、茶褐色に染まったワイルドな岩場と、どこまでも続く太平洋の青。
源泉温度は80度もあるらしくて、そのままではとても入れない熱湯。
だけど、押し寄せる冷たい海水と混ざり合うことで、奇跡のような「ちょうどいい湯加減」の場所が生まれるんだって。
事前に駐車場の「湯加減の穴」で温度をチェックして、満潮のタイミングを狙ってきたのは大正解だった。それでも、ベストな場所を探すのはまるで宝探し。
「あっちぃー!ここは無理!」
「あ、こっち、ちょうどいいよ!」
湯ノ花で滑りそうになる岩肌にハラハラしながら、波打ち際に自分たちだけの天然の湯船を見つけ出した。
更衣室もシャワーもないから、宿から服の下に水着を仕込んできて本当によかった(笑)。
そっとお湯に体を沈めると、じんわりと温かさが芯まで染み渡っていく。
日頃の疲れや、トゲトゲしたちっぽけな悩みが、太平洋の白波へと溶けて消えていくみたい。
目の前の雄大な海と、心地よい湯加減。 見上げれば、自分たちを包み込むような険しい岩壁。
お互いに顔を見合わせると、言葉なんていらなかった。
ただただ、最高の笑顔が弾ける。 (写真を見返しても、我ながらすっごく嬉しそうな顔をしていてちょっと恥ずかしいな。笑)
帰り道の長い上り階段はさすがに息が切れて、みんなで「ハァハァ」言いながらまた大爆笑。
心も体も、完全にフルチャージされた気がする。
最高の夏休み。式根島、来てよかったな。