【八丈島旅日記】「意思あるところに道あり」――俺の足を止めかける、長友ロードの急坂にて。 | 船で行く!伊豆諸島・小笠原諸島ツアーならオリオンツアー

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【八丈島旅日記】「意思あるところに道あり」――俺の足を止めかける、長友ロードの急坂にて。

今回、どうしても寄っておきたい場所があった。 島を周回する都道215号、八丈循環線。その途中にある、長さ250メートルほどの、なんてことのない……いや、とんでもない坂道だ。

通称「長友ロード」。

あの日本サッカー界の鉄人、長友佑都選手がFC東京に入団した2008年頃から、オフシーズンにここで猛特訓を重ねていたらしい。W杯を何度も戦い抜いたあの驚異的な肉体とスタミナは、この島の坂道で培われたというわけか。

「リードパークリゾート八丈島」に車を停め、歩き出す。徒歩15分ほど。 だが、油断した。モニュメントに辿り着くまでの道自体、すでにそこそこのアップダウンがある。島全体が火山の大地、平坦な道など早々ないのだ。

少し息が上がり始めた頃、それが見えてきた。

道の傍らに佇む、石のサッカーボールが乗ったモニュメント。 そこには長友選手のサインと、彼の好きな言葉が刻まれている。

『意思あるところに道あり』

……心に染みる言葉じゃないか。 だが、目の前に現れた「長友ロード」の本番を見て、私の意思は一瞬グラついた。

きつい。想像以上に傾斜が急だ。 全長わずか250メートルほど。だが、見上げるような坂道。 長友選手は、このきつい傾斜を利用して、何度も、何度もダッシュを繰り返したという。 一本走るだけでも肺がちぎれそうになるだろうに、世界と戦う男の覚悟は、やはり常人のそれとは違う。

せっかくだ。長友選手に敬意を表して、私も少しだけ駆け上がってみる。

……うん、三歩で後悔した。 太ももが、パンパンだ。息が、苦しい。 しかし、坂の上から見下ろす八丈の景色と海は、呆れるほどに美しい。 彼も、あの大息を吐きながら、この青い海を見ていたのだろうか。

今ではプロのJリーガーやなでしこジャパンの選手たちも、1月の自主トレでここを走るという。アスリートたちの聖地、原点の地。

よし、私はアスリートではない。無理は禁物だ。 この太ももの張りと、乾いた喉を癒すために…… さあ、「洞輪沢温泉」へ向かおう。 今の俺には何よりの温泉に入ることが報酬だ。

俺の旅メモ:

  • 長友ロード
  • 都道215号(八丈循環線)沿い、「リードパークリゾート八丈島」から徒歩約15分。
  • 約250mの急勾配。歩くだけでもいい運動(というかトレーニング)。
  • 石のサッカーボールのモニュメントが目印。記念撮影スポットに最適。

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    【八丈島 温泉旅日記】滝の音、溢れる緑、そして無料。人生最高のジャングル露天風呂、裏見ヶ滝温泉。

    洞輪沢の渋すぎる隠れ湯を堪能した後、次なる目的地へと車を走らせる。 八丈島の懐はどこまで深いんだ。今度は、圧倒的な大自然の中にそのまま放り出されたような温泉へ。 「裏見ヶ滝(うらみがたき)温泉」。 ここはなんと、年中無休、しかも料金は無料。タダだ。 これほど立派な、野趣あふれる公営の露天風呂を無料で開放してくれているなんて、八丈島はどこまで太っ腹なんだ。 ただし、ここは少しルールが特殊だ。 「男女混浴、水着着用必須」。 せっけんやシャンプーも使用不可。体を洗いに行く場所ではなく、海パン一丁で自然と同化しに行くための温泉だ。 駐車場に車を停める。 お風呂のすぐ目の前にも脱衣所はあるが、男女兼用だ。少し着替えるのに気を使うかもしれない。私は先人の知恵を拝借し、車を降りる前に駐車場横のトイレでササッと水着に着替え、上から服を羽織ってサンダルを履いて向かった。これが正解、実にスムーズだ。 木々が生い茂る遊歩道を少し歩くと、視界がパッと開けた。 「……ほう。これはすごいな」 見上げれば抜けるような青空と圧倒的な緑、そして眼下を見下ろせば、勢いよく流れ落ちる滝と、かすかに遠くに見える海。 大自然のど真ん中に、ぽつんと湯船が用意されている。まさに秘境の秘湯。開放感が尋常じゃない。 足元を濡らしながら、湯船に身体を沈める。 あぁ……極楽、極楽。 湯加減が実によく、じわーっと身体に染み渡る。 幸運なことに、今は私しかいない。この圧倒的なロケーションを独り占めだ。 目を閉じれば、ゴォーッという滝の轟音と、川のせせらぎ、そして鳥の鳴き声だけが耳に届く。スマホの通知に追われる日常が、まるで別の世界の出来事のように思えてくる。 水着着用だからこそ、ここは男友達同士、女子旅、あるいはカップルやファミリーでも気兼ねなく、みんなでこの感動をシェアできるのがいい。気まずさなんて一切ない、ただただ心地いい空間だ。 しっかり温まって湯船を出る。 いやはや、人生最高の温泉リストに、また一つ新しい名前が刻まれてしまった。 シャンプーが使えないから、シュノーケリングや海に入ったついでにフラッと立ち寄るのも最高かもしれないな。 タオルを首に巻き、サンダルを鳴らしながら車へ戻る。 身体も心も、すっかり八丈島の色に染まってきた。 さあ、夕飯の時間が近づいてきた。今夜は何を胃袋に収めようか。 俺の旅メモ: 裏見ヶ滝温泉 営業時間:9:00-21:00(年中無休) 料金:無料 水着の着用が必須(あらかじめ着ていくのがスマート)。 タオルとサンダルは持参必須。せっけん・シャンプーは使用不可。

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    【八丈島 温泉旅日記】無料、無人、そして地の果て。八丈島最古の湯、洞輪沢温泉。

    長友ロードで干からびかけた身体を引きずり、島のさらに奥深くへ。 やってきたのは、ひっそりとした小さな港の最奥。 八丈島の中で、まさに「地の果て」と呼ぶにふさわしい場所。そこに、島で一番昔からあるという温泉が佇んでいる。 洞輪沢(ぼらわざわ)温泉。 ……ほう。車を降りて一瞬、息を呑んだ。 コンクリートの無機質な四角い建物。失礼ながら、一見すると公衆トイレか物置、あるいは廃墟のようにも見える。潮風にさらされ、かなり年季が入っている。 受付もなければ、もちろん人もいない。 本当にここが入浴施設なのか? だが、この鄙びた、ただならぬ「秘湯オーラ」……嫌いじゃない。いや、むしろ大好物だ。 意を決して扉を開ける。 ガラリ。 仕切りなどない。扉を開ければ、そこはもう脱衣所、そして目の前に浴槽が広がっている。 究極にシンプル。無駄をすべて削ぎ落とした、潔い空間だ。 料金は……無料。タダ。 島最古の湯を無料で開放しているなんて、八丈島の懐の深さには恐れ入る。 ただし、せっけんやシャンプーの使用は一切不可。体を洗いに行くのではない。ただ純粋に、温泉と対話するためだけにここへ来るのだ。 湯船に身体を滑り込ませる。 「あぁ……ぬるい。だが、じんわりと来るな……」 温度は38℃ほどか。熱い湯が好きな人には物足りないかもしれないが、いつまでも、本当にいつまでも浸かっていられる絶妙な湯加減だ。 お湯のクセは少ない。しかし、足元からはゴボゴボと常時、良質な源泉がふんだんに湧き出て、そのまま贅沢に掛け流されている。 何という供給量だ。新鮮極まりない地球の恵みが、この小さな浴槽に満ち満ちている。 他に入浴客はいない。この極上湯を、今、私一人で独占している。 なんて贅沢な穴場だ。 ぬるい湯に浸かること、20分、いや25分ほど。 不思議なことに、湯から上がると、身体の芯がしっかりと、驚くほどポカポカしている。 筋肉痛、関節の痛み、疲労回復、冷え性……なるほど、この古い外観からは想像もつかないほど、お湯のクオリティは本物、レベルが高い。じっくりと身体が癒やされていくのがわかる。 暗くなったらちょっと怖そうだが、この静寂と、波の音だけが聞こえるシチュエーション。温泉好きなら、一度は行くべき「秘湯中の秘湯」だ。 外に出ると、心地いい潮風が火照った肌をなでる。 地の果てで出会った、飾らない名湯。 こういう出会いがあるから、島旅はやめられない。 さて、身体の芯まで温まったところで、次はどこへ向かおうか。 俺の旅メモ: 洞輪沢温泉 営業時間:9:00-21:00(月曜定休) 料金:無料(無人) せっけん・シャンプーは使用不可。 38℃前後のぬる湯なので、時間をかけて長湯するのが楽しむコツ。

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    【八丈島旅日記】「意思あるところに道あり」――俺の足を止めかける、長友ロードの急坂にて。

    今回、どうしても寄っておきたい場所があった。 島を周回する都道215号、八丈循環線。その途中にある、長さ250メートルほどの、なんてことのない……いや、とんでもない坂道だ。 通称「長友ロード」。 あの日本サッカー界の鉄人、長友佑都選手がFC東京に入団した2008年頃から、オフシーズンにここで猛特訓を重ねていたらしい。W杯を何度も戦い抜いたあの驚異的な肉体とスタミナは、この島の坂道で培われたというわけか。 「リードパークリゾート八丈島」に車を停め、歩き出す。徒歩15分ほど。 だが、油断した。モニュメントに辿り着くまでの道自体、すでにそこそこのアップダウンがある。島全体が火山の大地、平坦な道など早々ないのだ。 少し息が上がり始めた頃、それが見えてきた。 道の傍らに佇む、石のサッカーボールが乗ったモニュメント。 そこには長友選手のサインと、彼の好きな言葉が刻まれている。 『意思あるところに道あり』 ……心に染みる言葉じゃないか。 だが、目の前に現れた「長友ロード」の本番を見て、私の意思は一瞬グラついた。 きつい。想像以上に傾斜が急だ。 全長わずか250メートルほど。だが、見上げるような坂道。 長友選手は、このきつい傾斜を利用して、何度も、何度もダッシュを繰り返したという。 一本走るだけでも肺がちぎれそうになるだろうに、世界と戦う男の覚悟は、やはり常人のそれとは違う。 せっかくだ。長友選手に敬意を表して、私も少しだけ駆け上がってみる。 ……うん、三歩で後悔した。 太ももが、パンパンだ。息が、苦しい。 しかし、坂の上から見下ろす八丈の景色と海は、呆れるほどに美しい。 彼も、あの大息を吐きながら、この青い海を見ていたのだろうか。 今ではプロのJリーガーやなでしこジャパンの選手たちも、1月の自主トレでここを走るという。アスリートたちの聖地、原点の地。 よし、私はアスリートではない。無理は禁物だ。 この太ももの張りと、乾いた喉を癒すために…… さあ、「洞輪沢温泉」へ向かおう。 今の俺には何よりの温泉に入ることが報酬だ。 俺の旅メモ: 長友ロード 都道215号(八丈循環線)沿い、「リードパークリゾート八丈島」から徒歩約15分。 約250mの急勾配。歩くだけでもいい運動(というかトレーニング)。 石のサッカーボールのモニュメントが目印。記念撮影スポットに最適。

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    【八丈島 温泉旅日記】私は今、太平洋と一体になっている。奇跡の絶景!末吉温泉 みはらしの湯

    先日、入った樫立の「ふれあいの湯」が最高すぎて、今日も温泉欲が抑えられない。 今日は島民誰もが口を揃えて「あそこは外せない」と言う、末吉地区の「みはらしの湯」へ。 小高い丘を車で登っていく。 あった。昭和の香りを色濃く残す、どこか懐かしい木造建築。 大人500円。ワンコイン。よし、これでこの絶景が手に入るなら安いものだ。 番台で聞けば、男湯と女湯は奇数日と偶数日で入れ替わるらしい。 こういう「その日のお楽しみ」みたいなシステム、嫌いじゃない。 ドライヤーが無料なのも、地味だけどありがたいじゃないか。 脱衣所でサッと服を脱ぎ、まずは内湯で体を流して、お目当ての露天風呂へ。 ガラリと扉を開けた瞬間、思わず言葉を失った。 「うわぁ……」 なんだこれは。絶景、という言葉すら安っぽく思える。 太平洋が一望、いや、太平洋を見下ろしている。海と空の境界線がどこまでも青く広がっている。 唯一無二。八丈島に来たらココ、と言われる理由が一瞬で理解できた。 お湯に身体を沈める。 ふぅ……。温度が私にはぴったりだ。熱すぎず、ぬるすぎず、いつまでも浸かっていられる。 お湯は少し鉄分が錆びたような色をしていて、これまたかなりの塩っ気だ。 ちょっと顔をぬぐったら、目元に湯がついて染みる染みる! 「おっと、これは効くぞ……」 だが、その強烈な塩分のおかげで、身体の芯からみるみるポカポカになっていくのがわかる。 冬には、ここから海を渡るクジラが見えることもあるらしい。 クジラを見ながら露天風呂。想像しただけで贅沢がすぎる。次は冬にも来なきゃな。 しっかりシャワーで塩分を洗い流し、湯上がり。 館内には広々とした休憩室がある。 エアコンはない。代わりに扇風機が首を振っている。 夏場は鬼のように暑いらしいが、この5月の海風が混じる空気なら、これくらいが丁度いい。 見れば、地元のおばちゃんたちが普通に横になって、気持ちよさそうに昼寝をしている。 あぁ、いいなぁ、この雰囲気。昭和の、あの夏休みの田舎の風景がここにはまだ残っている。 湯上がりの一杯を探す。 お目当ての「ジャージー牛乳」は残念ながら完売。 ならば、コーヒー牛乳だ。 パックにストローを突き刺し、一気に吸い上げる。 ……美味い。濃厚だ。火照った身体に、冷たくて甘いコーヒー牛乳が染み渡る。 夜に来れば、今度は満天の星空が広がるんだろうな。昼も最高だが、夜のポテンシャルも計り知れない。 絶景を眺めながら風呂に入る。 これ以上の贅沢が、この世にいくつあるだろう。 また八丈島に来た際は、絶対に寄ろう。 よし、身体も軽くなった。次は島のご馳走を探しに行こうか。 俺の旅メモ: 末吉温泉「みはらしの湯」 営業時間:10:30-21:30(入館21:00まで / 火曜定休) 料金:大人500円 / 小学生200円 奇数日・偶数日で男女の浴室が入れ替わる。 塩分が強いので、上がる時はシャワーで流すのが吉。目に入ると染みる!

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