日本の砂漠を歩く!三原山・裏砂漠トレッキングを徹底解説
東京・竹芝から高速ジェット船で最短約1時間45分。伊豆大島の三原山には、国土地理院の地図で日本唯一「砂漠」と記された場所があります。
黒いスコリアの大地がどこまでも広がる「裏砂漠」は、まるで別の惑星に降り立ったような異空間です。
この記事では、裏砂漠トレッキングの3つのルート比較をはじめ、アクセス・服装・装備など、計画に必要な情報をまとめています。
初めての方もリピーターの方も、自分に合ったコースを見つけて裏砂漠の絶景を歩きに行きましょう。
裏砂漠トレッキングのコース比較|体力と時間で選ぶ3つのルート
伊豆大島の三原山には、国土地理院の地図で日本唯一「砂漠」と記された場所があります。
三原山の噴火で降り注いだマグマのしぶきが大地を焼き尽くし、強風が植物の定着を妨げ続けた結果できた黒い大地、それが裏砂漠です。
裏砂漠へのトレッキングルートは大きく3つ。片道約1時間で森から砂漠への変化を歩く温泉ホテルルート、火口一周と裏砂漠を一気に巡る約3時間のフルコース、そして車で近くまで行って徒歩10分で到着する月と砂漠ラインです。
体力と持ち時間に合わせて選べるので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
温泉ホテルルート(片道約1時間・初心者向け)
大島温泉ホテルの駐車場付近からスタートし、裏砂漠の絶景スポット「風の丘」を目指す往復約2時間のコースです。
樹海のトンネルから低木の草原、そしてゴツゴツした溶岩地帯へと景色が移り変わる「森から砂漠へ」のグラデーションが最大の見どころ。登山靴は不要で、歩きやすいスニーカーでも問題ありません。
ゴール後はそのまま大島温泉ホテルの露天風呂へ直行できます。荷物預かりや弁当がセットになったトレッキングプランもあるので、手ぶら感覚で楽しめるのもうれしいポイントです。
三原山頂口→お鉢巡り→裏砂漠フルコース(約3時間・中級者向け)
三原山頂口から巨大な火口を一周する「お鉢巡り」を経て、裏砂漠方面へ下り、大島温泉ホテルをゴールとする総距離約7.9km、所要約2時間35分のコースです。
火口の絶景、裏砂漠の黒い大地、溶岩から森への再生を一日で体感できる欲張りなルート。
スタートとゴールが別の場所になるため、大島バスの時刻表は事前に確認しておきましょう。途中からスコリアの砂利道が続き足元が滑りやすくなるので、トレッキングシューズがあると安心です。
月と砂漠ラインから車でアクセス+徒歩10分(体力に自信がない方向け)
長時間歩くのは厳しいけれど裏砂漠は見たい、という方向け。
大島一周道路から「月と砂漠ライン入口」の看板を目印に脇道へ入り、車で約10分走った先の駐車場から、緩やかな山道を約10分歩けば裏砂漠の第一展望台に到着します。
月と砂漠ラインは車1台分の道幅しかなく、すれ違いが難しい区間があるので慎重に。駐車場は5〜6台分と小さめです。チェーンから先は特別保護地区のため車両進入禁止。
また、このエリアは携帯の電波が不安定なので、ルート情報は事前に保存しておきましょう。
伊豆大島へのアクセスと島内移動
裏砂漠トレッキングの計画を立てるうえで、まず押さえておきたいのが島への渡り方と、島に着いてからの移動手段です。
東京からの船便や飛行機の選択肢と、島内でのバス・レンタカー事情をそれぞれ整理します。
東京からの船便と飛行機
主な選択肢は3つ。
高速ジェット船は竹芝から最短約1時間45分、片道9,200円前後で揺れが少なく快適です。往復割引きっぷ「大島らくらくきっぷ」なら13,000円程度に。
大型客船「さるびあ丸」は竹芝22時発、翌朝6時着の夜行便で、2等和室なら片道5,000円台から。到着後すぐに大島温泉ホテル行きの接続バスが出るため、朝イチでトレッキングを始めたい方に向いています。
飛行機は調布飛行場から約25分、片道13,800円前後。
いずれも料金は時期により変動するため、事前確認は忘れずにしておきましょう。
島内移動はバスかレンタカーか?三原山頂口・温泉ホテルへの行き方
路線バスは元町港・岡田港から三原山頂口や大島温泉ホテル方面へ運行しており、大型客船到着に合わせた臨時便もあります。
ただし本数は1時間に1本程度。乗り遅れると予定が崩れるので、時刻表の事前確認は必須です。
自由度を重視するならレンタカーがおすすめ。伊豆大島にはコンビニがなく、観光スポットも点在しているため、車の有無で行動範囲が大きく変わります。
月と砂漠ラインへのアクセスもレンタカーが前提です。バスだけで回る場合は、コースの取捨選択が必要になると考えておきましょう。
服装・装備・持ち物
裏砂漠トレッキングは標高500〜750m付近を歩きます。
登山ほどの重装備は不要ですが、火山地形ならではの注意点がいくつかあります。快適に歩くためのウェアや持ち物を確認しておきましょう。
ウェア・靴の選び方(スニーカーでも歩けるが滑りやすい箇所あり)
短距離コースならスニーカーでも歩けますが、裏砂漠の地面はスコリアという軽石状の火山岩で、斜面では滑りやすくなります。
フルコースを歩くなら、グリップのあるトレッキングシューズが安心。防水仕様ならなお良し。
ウェアは動きやすい服装でOK。ただし裏砂漠は遮るものがなく風が直接吹きつけるため、夏でもウインドブレーカーやレインジャケットは1枚持っていきましょう。
持っていくべきもの一覧(水・帽子・防風着・日焼け止め)
コース上には売店も自動販売機もありません。必要なものはすべて出発前に準備しておく必要があります。最低限持っていきたいのは次のとおりです。
・飲料水(500mlを最低2本。夏場は多めに)
・帽子(日差しを遮るものがほぼないため必須)
・防風着(ウインドブレーカーやレインジャケット)
・日焼け止め(標高が高く紫外線が強い)
・タオル(汗拭き・防砂用に)
・行動食(おにぎりやエネルギーバーなど)
黒い火山岩の地面は太陽の熱を吸収しやすく、夏場は照り返しがかなり強くなります。サングラスがあると目の疲れを軽減できます。スマートフォンの充電も忘れずに。裏砂漠エリアでは電波が不安定になるため、地図やコース情報はスクリーンショットで保存しておくと安心です。
トイレ・水場の場所と注意点
コース上にはトイレと水場がありません。出発前に必ず済ませておいてください。
トイレが使えるのは三原山頂口の展望台付近、大島温泉ホテルのロビー、月と砂漠ライン利用時は最寄りの大島公園の3か所です。月と砂漠ラインの駐車場に仮設トイレが置かれていた時期もありますが、常設ではないのであてにしないほうが無難です。
フルコースは3時間前後の行程になるため、水分の摂り方も出発前に調整しておきましょう。
裏砂漠トレッキングの見どころと楽しみ方
裏砂漠トレッキングの魅力は、歩くルートによってまったく異なる景色に出会えること。
火口の迫力、黒い砂漠の異世界感、そして溶岩から森へ再生していく自然の力。
それぞれの見どころを紹介します。
火口展望台とお鉢巡りの絶景
三原山頂口から舗装された遊歩道を約30分登ると、火口展望台に到着します。
眼下に広がるのは直径約300〜350メートル、深さ約200メートルの巨大な噴火口。1974年の小噴火以前は底にマグマが見えることもあったというから、そのスケールが想像できるでしょう。
火口の縁をぐるりと歩く「お鉢巡り」は約45分。足元から地熱を感じながら、裏砂漠の全景を上から見下ろせるポイントや、天気が良ければ伊豆半島、富士山、伊豆諸島の島々まで見渡せる展望が待っています。1986年の噴火で流れ出した溶岩が三原神社を避けて通ったとされるパワースポットも、このルート上にあります。
風が強い日は足元が不安定になるので、立ち止まって写真を撮るときは踏ん張れる場所を選んでください。
裏砂漠・風の丘で寝転がる——遮るものが何もない異空間
裏砂漠は、国土地理院の地図に「砂漠」と記される日本唯一の場所です。
黒いスコリアの大地がどこまでも続き、その先に太平洋が広がる景色は、別の惑星に降り立ったような感覚になります。
おすすめは「風の丘」での過ごし方。遮るものが一切ないなだらかな斜面で、大の字に寝転んでみてください。聞こえるのは風と鳥の声だけ。映画やCMのロケ地にもなっている場所なので、ポーズを工夫すればSNS映えする写真も撮れます。
体力に余裕があれば、さらに先の櫛形山まで足を延ばすと裏砂漠全体を360度見渡せます。
ジオ・ロックガーデンと植物再生の道——溶岩から森へ移り変わる景色
温泉ホテルルートやフルコースで通る「ジオ・ロックガーデン」は、1986年の噴火で流れ出した溶岩がむき出しのまま残るエリアです。
ゴツゴツした岩の隙間から草やシダが芽を出し、少しずつ大地を緑に戻しています。
このエリアを抜けると、低木の草原、そして深い樹海へと景色が移り変わります。溶岩の黒から若い緑、そして森の深い緑へ。噴火から数十年かけて自然が再生していく過程を、そのまま一本の道で歩けるのがこのルートの醍醐味です。
ガイドと歩けば溶岩の種類や再生のメカニズムまで聞けるので、興味がある方はぜひ。
三原山の裏砂漠トレッキングに関するよくある質問
裏砂漠トレッキングを計画するなかで気になりやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
裏砂漠トレッキングに予約は必要?
個人で歩く場合、予約は不要です。三原山頂口や大島温泉ホテル、月と砂漠ラインの駐車場から自由に出発できます。入山料もかかりません。
ただし、ジオパーク認定ガイドツアーや大島温泉ホテルのトレッキングプラン、東海汽船のハイキングツアーを利用する場合は事前予約が必要です。繁忙期は埋まりやすいので、日程が決まったら早めに連絡しましょう。
子連れ(小学生)でも参加できるコースはある?
月と砂漠ラインから徒歩10分で裏砂漠の展望台に到着するルートなら、小学生でも無理なく歩けます。登りも緩やかで、道も比較的わかりやすいコースです。
温泉ホテルルートも片道約1時間と距離はありますが、急な斜面は少ないため高学年であれば問題ないでしょう。フルコースは約3時間の行程で足場の悪い砂利道が続くため、低学年には厳しいかもしれません。
お子さんの体力に合わせてコースを選び、こまめな水分補給と休憩を心がけてください。
雨の日でもトレッキングはできる?
歩くこと自体は可能ですが、おすすめはしません。雨天時は裏砂漠一帯に霧が発生しやすく、視界が極端に悪くなります。
方向感覚を失うと遭難のリスクがあるため、霧が出ている場合はコースに入らないのが鉄則です。
三原山の噴火警戒レベルはどこで確認できる?
気象庁のホームページで確認できます。
「火山登山者向けの情報提供ページ」に伊豆大島の活動状況が掲載されており、現在の噴火警戒レベルや火山活動の解説を見ることができます。レベルは1(活火山であることに留意)から5(避難)の5段階で、レベル2以上になると火口周辺や登山道に規制がかかる場合があります。
トレッキング前には必ずこのページをチェックしてください。三原山頂口には突発的な噴火に備えてヘルメットの無料貸し出しもあります。
裏砂漠にペットは連れていける?
可能ですが、ペット同伴のルールは変わる可能性があるため、事前に大島町役場や伊豆大島ジオパーク推進委員会に確認してください。
まとめ
三原山の裏砂漠トレッキングは、東京から日帰り圏内で日本唯一の砂漠を歩ける貴重な体験です。徒歩10分の月と砂漠ラインから約3時間のフルコースまで、体力に合わせてルートを選べます。
コース上にトイレや売店はなく、霧や強風で引き返す判断も必要。事前準備と天候チェックを忘れずに。歩いた後は露天風呂とべっこう寿司で締めくくれば、大島の魅力をまるごと味わえる一日になります。
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観光庁長官登録旅行業第692号/
一般社団法人日本旅行業協会正会員