グラトリに特化している板というのはありません。ただ、どんなスタイルの滑りをしたいかで、適した板というのはあると思います。例えば、グラトリは大きく分けると、フラットな場所で飛んだりするようなジャンプ系と、回ったりするバター系の2種類に分けられます。それぞれのスタイルに合った板があるため、自分がどんなスタイルが好きか、どんな滑りをしていきたいかで板の選び方は変わってきます。

ジャンプ系のグラトリにはキャンバーが向いてます。キャンバーとは、スノーボードを平らな面においたときにセンター部分がアーチのように沿っているのが特徴で、下に踏み込んで圧をかけると反発で上に飛びやすくなります。そのため、高さを出しやすくジャンプ系には向いてると言えます。

いや、実際そんなに板の重さは関係ないですね。飛んで回してる時の遠心力を使うなら板は重い方がいいですし、板を回す先行動作が苦手な人は板は軽い方がいいんですが、最初のうちはそこまで重さを気にする必要はないかなと思います。

繰り返しになってしまいますが、どんなスタイルの滑りをしたいかで長さも変わってきてしまいます。例えば、板が長い方がその分板に体重を乗せやすくなるんで、高くジャンプができるけど、その分ターンはしにくくなります。反対に板を短くしちゃうと、反発が少なくなる分ジャンプ力は低くなるけど小回りが効くようになります。初心者の方がゲレンデに行ってジャンプだけするのかって言われればそうではないと思うので。

スノボと並んだ時に、鼻からアゴの長さで選んでもらうか、むしろ目線くらいあってもいいかもしれません。長い板の方が反発があるから高く飛べるようになります。大体175センチなので選ぶ板の長さは56、57、58くらいがいいと思います。ただし、さっきも言った通り、適した長さはありません。自分の目指すスタイルによって板の長さも選ぶ基準は変わってくるのでぜひお店に来て合わせてみてください。（笑）

板は硬い方がいいです。初心者の方は柔らかい板の方がいいよって一般的に言われているんですけど、それは大きな間違いです、なぜかというと、初心者の方はスピードが出てしまうと板がコントロールできなくなってしまうんですが、その時に板を扱いやすいのは硬い板なんです。柔らかい板はスピードが出てしまうとコントロールしにくく扱いにくいので硬い板の方がいいです。

バター系にはダブルキャンバーがおすすめです。先ほど紹介したキャンバーは真ん中に反りがありましたが、ダブルキャンバーは言葉通りアーチの部分が2箇所あります。そのため雪面に接する部分が３つあり、支点が真ん中にあるので、くるくると回りやすいという形状です。硬さや長さに関してはキャンバーの時と選び方は一緒です。

グラトリに関して言えば、ブーツの硬さを見ることが重要で、初心者の方には「やや柔らかめ」のブーツをおすすめしてます。ブーツ全体の硬さもあると思うんですけど特に足裏の硬さや足首部分の硬さを見て欲しいです。

硬いか柔らかいかはエッジの動きにが大きく影響してきます。例えば、ブーツが硬いと、板にダイレクトに力が伝わるのでエッジが立ちやすくなります。つまり、自分の思うようには動かせるんですが、板の扱いに慣れていないとうまくコントロールできません。反対に、ブーツが柔らかいと、グニュッと板に力が伝わるのが遅いので、エッジを立てる動きがゆっくりになります。そのため、板をコントロールしやすくなります。おそらく最初のうちはグラトリをするときに膝を曲げる動作が必要になってくるんですが、バランスがとりやすいので柔らかいブーツの方が使いやすいと思います。ただし、上手くなってきたらスピードがどんどん上がってくるので、反応が早い硬めのブーツに変える人もいますね。

かと言ってそうゆうわけではなく、柔らかすぎるとグラトリをしてるとき以外の普段のフリーランにも影響が出てきてしまうので、普段の滑りもしやすく、グラトリもしやすいってことで「やや柔らかめ」のブーツを選ぶのがいいんじゃないかなって思ってます。

フィット感が最も重要です。最近はネットで買う方も多いんですが、ブーツは絶対履いて試した方がいいですね、ぶっちゃけ、ブーツに関してはブランドやモデルではなくお客様の足にあったブーツが一番いいブーツになるのでだからこそ試着が大事です。

軽さもブーツによって違いはあるんですが、正直フィットしてるものに合わせてもらえれば重さはほとんど気になりません。なので軽さよりもフィット感で選んでいただくことが大事です。

フィットさせてちょいきついくらいで選んでもらうのがいいですね。膝を立てるとつま先が当たって膝を曲げるとちょっとだけ先に触れてるくらいのニュアンスで選んでいただくのがいいかなあと思います。そうするとブーツもスニーカーのようにどんどんと伸びてきて自分の足に馴染んできます。仮にキツすぎて足が痛くなってしまったとかであれば、ブお店にブーツを持ってきていただければブーツを伸ばすこともできますし。

グラトリをしやすい紐のタイプは特にないです。ただし靴紐によるフィット感が滑りに大きく影響してくるので、よりフィットするものを選びましょう。例えば、BOA型は最近プロの方でも多く取り入れられていて、より締まるのでフィット感が増します。またクラシックレースを使っている人も多く、締めたい箇所に合わせてフィット感を調整できると言う点で人気です。ただ、特にこだわりがなければBOA型でいいと思います。

ビンディングはブーツの力を板に伝える役割があるので、特にグラトリに特化したものがあると言うわけではありません。そのためブーツや板に合った適切なビンディングを選ぶのが一番いいです。

セッティング次第なのでなんとも言えないですが、当店ではFLUXとかUNIONというブランドが何にでも使いやすいです。ブーツに合わせやすいですし、硬さも合わせやすいです。

一番はゴーグルが大切ですね。理由としては、グラトリは地形を見て判断することが多いので、しっかりとした視野を確保することが重要です。あとは体を守ってくれるヘルメットやケツパッド、膝当てなどもあれば怪我をせずに楽しんでいただけるかと思います。