プロが教える!スノーボード初心者の滑り方と練習のポイント【基礎編】
公開日: 2025/01/11
How to
初めてスノーボードを体験する方にとって、滑る前の不安や恐怖は尽きないものです。
どのように歩くべきか、転んだ時はどうするのか、リフトの乗り方さえも、初心者には大きな課題です。
本記事では、実際にプロのインストラクターが教える基本テクニックを通して、スノーボードの楽しさを存分に味わえるようになるためのポイントを詳しく解説します。基礎をしっかりと身につけ、自信を持ってスノーボードを楽しみましょう。
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【まずは片足でスノーボードに慣れよう】
1,スノーボードの装着方法
前足のみを装着したまま行うスケーティングは、リフトに乗るときや、短い距離の移動手段として頻繁に行う動作になります。片足で行う操作なので、まずはレギュラースタンスの方は左足を、グーフィースタンスの方は右足を装着します。
装着する足の反対側の足で板を押さえて、バインディングに足を入れます。その後、まずはボードが流れていかないようにリーシュコード(流れ止め)を装着します。


最初にかかと側をしっかりフィットさせてからストラップをきつく締め、つま先側も締めて固定します。

転んだ時に怪我をしないように、後ろ足のバインディングのハイバックが立っていたら必ず倒しておきましょう。これでまずスケーティング前の最初の準備が完了となります。

2,片足でのスケーティング
進行方向に向かってボードの先端側をノーズといい、後ろ側をテールと言います。
スケーティングには3段階のステップがあります。
最初はノーズを上げ下げすることから始めます。

次にウォーキングです。前足に体重を乗せて後ろ足を前足付近に踏み出します。後ろ足に体重を乗せ替えたら歩くように前足を踏み出します。
最後にスケーティングです。ウォーキングに慣れてきたら歩幅をとり、後ろ足の蹴り出しを強めていきましょう。進行方向を見ながら後ろ足を前足付近に踏み出し、雪面を蹴ってボードを滑らせ、後ろ足をボード上に乗せれば完成です。
スケーティングを行う際のポイント
前足の上に体重を乗せながら後ろ足の蹴り出しを行うことです。
エッジを立てないように板のソール面(板の滑走面)が雪面に全部ついた状態で歩くのが理想です。コツは、頭とおへそ部分を前足の上に乗せながらスケーティングを行いましょう。そうすることで、進んでいくボードに対して体が遅れることを防ぎ、転倒を回避できるようになります。
※スケーティングの際の後ろ足には、かかとのエッジ側を蹴り出す後ろ足とつま先のエッジ側を蹴り出す後ろ足があります。写真では、かかとのエッジ側を蹴り出してスケーティングを行っていますが、ご自身で蹴り出しやすい方を選択してください。

3,方向転換
方向転換はリフトの乗り降りや移動する際に必要不可欠な技術です。時計周り(右回り)と反時計回り(左回り)があるので両方解説していきます。
時計回り
後ろ足を前足の前に置き、時計回りに回転します。
この時、 つま先側のエッジをかませながら動くことで、板が滑らずに方向を変えることができます。


反時計回り
時計回りとは反対に、踵のエッジをかませながら、動かしていきます。


4,片足での斜面の登り方、降り方
登行
登行とは片足を装着した状態で斜面を登ることです。短い距離の移動の際に活躍する基本テクニックです。
やり方は、山側に向いてボードを斜面に対して真横に置き、後ろ足は山側に置いた状態からスタートします。前足でつま先側のエッジを踏み込み足場をつくったら、後ろ足を山側へ踏み出します。後ろ足に体重移動したら前足でボードを引き寄せます。歩幅は狭めにして、少しずつ登っていきましょう。


ポイントは、斜面に対してボードが真横にある状態をキープすることです。
ワンフットチャージ
両足装着の前に、前足装着のままでサイドスリップの動作を疑似体験できるのが、「ワンフットチャージ」です。
片足で疑似体験をすることで、痛い思いや怖い思いをせずに、簡単に安全に斜面を降りることが可能となります。
まず、前足装着のまま谷側を向いて立ちます。後ろ足はデッキ上に乗せます。かかと側のエッジで足場をつくり、停止状態でバランスをとります。その後、かかと側に重心を置いたまま、ボードを斜面と平行に近づけて少しずつスライドさせていきます。

止まっている時はかかと側のエッジでブレーキがかかっている状態ですが、ブレーキを弱めてあげるとボードが下降していきます。
この時、エスカレーターに乗って降りていくようなイメージで下降していくことがポイントになります。かかと側のエッジで雪を削る量が多くなればスピードが減速していくということを頭に入れておきましょう。
5,リフトの乗り方、降り方
リフトの乗り方
まずは、スケーティングで待機位置まで移動します。
次に、前の人が乗るリフトの搬機が目の前を通過したら乗車位置まで移動しましょう。
乗車位置まで移動したら、自分が乗るリフトが近づいてきます。リフトが目の前まできたら、リレーのバトンを受け取るように後ろ側の手で搬機をキャッチしてお尻を下げて座ります。

乗る時の注意点
後ろ足は必ずボードの前に持っていきましょう。後ろ足がかかと側のエッジの方にあると、リフトに乗ったときにボードと後ろ足が絡み、怪我をする恐れがあります。リフトに乗った後はエッジが引っ掛からないようにソール面をフラットに滑らすようにしましょう。
リフトの降り方
リフト降り場には、降車位置の目安となる看板や線があるので、降車位置が見えてきたらボードを進行方向に向かって真っ直ぐにします。
リフトに乗っている間は、ボードを横にして楽な姿勢で乗っていますが、降車位置が近づいてきたら、ポードを真っ直ぐに向けて、降りる準備をしておきます。
降車位置に着いたら後ろ足をボードに乗せて、搬機の力を利用してまっすぐ降りていきます。


降りる時の注意点
降りるときにボードが横になってしまうとエッジが引っかかってしまうので、ボードを進行方向に対して真っ直ぐ向け、ソールは雪面に対してフラットな状態で降りていくことで転ぶリスクを減らします。
リフトを降りる際に心配な方は、係員に「初心者です」と伝え、減速運転をしてもらいましょう。
6,安全な転び方
転び方のポイントは必ず小さくなることです。高い位置から転ぶと衝撃が強くて怪我をする危険性が高まるので、転びそうになったらまずは小さくなることを意識しましょう。
前向きの転び方のコツ
野球のヘッドスライディングのように低い体勢で体を滑らすようにして転ぶようにすると衝撃が少なくなります。

後ろ向きの転び方のコツ
小さくなってからお尻と背中をついて最後は受身を取るようにすると、怪我のリスクを抑えられます。

初めてスノーボードをする方はリフトに乗る前に練習しておくのがおすすめです。
【これができればスキー場のどこへでも行ける!】
7,サイドスリップ(横滑り)
サイドスリップとはボードを斜面に対して真横にした状態のまま、ボードをズラしながら斜面を下っていく技術です。自分でスピードをコントロールして斜面を降りる技術なので、ゲレンデデビューしたら一番最初に覚えたい技術と言えます。
ヒールサイド(かかと側)のサイドスリップのポイント
ワンフットチャージの時と同様に、かかと側のエッジで足場をつくり、停止状態でバランスをとります。その後、かかと側のエッジに重心を乗せたまま、ボードを斜面と平行に近づけることで少しずつボードを下にスライドさせていきます。
手を前に出してバランスを取りながら、エスカレーターに乗って降りていくようなイメージで下降していくことがポイントです。
トウサイド (つま先側)のサイドスリップのポイント
足首を曲げることでつま先側のエッジに重心を乗せて足場をつくり、停止状態でバランスをとります。その後、つま先側のエッジに重心を乗せたまま、ボードを斜面と平行に近づけることで少しずつボードを下にスライドさせていきます。
かかと側に体重を乗せてしまうと逆エッジになって斜面の方に転倒してしまうので、体重はつま先側にキープしながら下っていきましょう。
練習場所
ある程度の斜度がある場所がおすすめです。
緩やかな場所で練習してしまうと、ボードをスライドさせたり停止したりする動作のコントロール幅が狭くなるので、逆エッジになりやすく、コントロールが難しいです。
反対に、急すぎる斜面はスピードが出過ぎてしまい危険ですので、最初は緩すぎず、急すぎないある程度の斜度がある場所で練習しましょう。
8,木の葉落とし
木の葉落としは、ボードを斜面に対して真横にし、自分の重さを両足均等に乗せた状態からスタートします。
その後、前足や後ろ足への重心移動を行うことでノーズ方向やテール方向へボードをスライドさせます。
木の葉落としが出来るようになれば、どこの斜面でも自由自在に移動ができるようになります。
ヒールサイド(かかと側)の木の葉落としのポイント
自分の重さを両足均等に乗せた状態から重心を前足の上に移動させ、つま先側を下げながら角づけ(雪面に対してエッジを立てている状態)を緩め、ノーズ方向へボードをスライドさせます。続いて、ボードセンターに重心を戻します。その後、後ろ足の上に重心を移動させ、テール側へスライドさせます。これを繰り返します。
トウサイド(つま先側)の木の葉落としのポイント
ヒールサイドの木の葉落としと要領は同じです。進行方向を見ながら、進みたい方向の足の上に重心を乗せ、重心を乗せた側の角づけを緩めることで進行方向へボードをスライドさせていきます。
練習方法
サイドスリップ同様、斜度があるところで練習するのはもちろんなのですが、かかと側から練習して斜面を滑る感覚がある程度掴めてから、つま先側を練習するのがいいと思います。
スノーボードは、最初こそ難しく感じるかもしれませんが、基本的な練習を順番に行えば、確実に上達するスポーツです。
まずは片足での操作や板に慣れることから始め、サイドスリップや木の葉の動きなど基礎技術をしっかり身につけることで、自信を持って斜面を滑ることができるようになります。
焦らずに、一歩一歩自分のペースで進めていけば、スノーボードの楽しさや爽快感を最大限に味わえるはずです。安全面にも十分配慮しながら、ぜひこの冬はゲレンデで最高の体験をしてください!
JSBA公認デモンストレーター
越 博(Hiroshi Koshi)
- 長野県を拠点に活動する日本スノーボード協会(JSBA)公認デモンストレーター。 高峰高原にある高峰マウンテンパーク「高峰高原AZプロスノーボーディングスクール」の校長も務める。 JSBA主催のテクニカル選手権には2006年以降連続して出場。 「安全に楽しく上達できる」をモットーに、初心者から上級者まで幅広いレベルのスノーボーダーに向けた質の高い指導を行い、技術の普及と発展に貢献している。
JSBA公認デモンストレーター
柏木 ゆかり(Yukari Kashiwagi)
- 福島県を拠点に活動する日本スノーボード協会(JSBA)公認デモンストレーター。 星野リゾートネコママウンテン北エリアにある「Jun Junスノーボードスクール」で主任も務める。 JSBA主催のテクニカル選手権において優勝経験を持ち、スノーボード指導者としても豊富な経験を持っている。「スノーボードの楽しさと技術向上」をテーマに、初心者から上級者まで幅広いレベルのスノーボーダーに向けた丁寧かつ的確な指導を行っている。

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