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プロが教える! 初心者でもできる連続ターンとカーヴィングターンの秘訣

思い通りの連続ターンができるとスノーボードはもっと楽しくなります。そして斜面を滑れるようになったらカーヴィングターンにトライ! そこでスノーボードがもっと楽しくなるターンについて渡會那央さんに解説してもらいました。

INDEX 目次

  1. ターンは楽しさのレベルを上げてくれる!
  2. トーサイドとヒールサイドのターンの基本!
  3. 連続ターンができない人の共通点!
  4. カーヴィングターンとは何か?
  5. ターンしやすいボードと上達の秘訣!

ターンは楽しさのレベルを上げてくれる!

連続ターンができるとスノーボードの楽しさは次のレベルに入ります。自分の足では到底出せないスピードで颯爽と斜面を降りてくる。その開放感はスノーボードならではの魅力でしょう。

ターンの練習方法ですが、最初のうちは緩斜面をメインに滑り、力がついてきたら中級コースにチャレンジするなどレベルを上げていくのがおすすめです。やがて上級コースを含めたスキー場の全コースが滑走できるようになると、さらに楽しさのレベルは次のステージへ。「今回は長野だから次は山形へ行こう」「シーズン中に北海道にも行きたいね」といった具合にフィールドが全国に広がり、雪山から雪山へ足を運べる自由さも手にすることができるのです。

そんな“スノーボーダーの冬”を満喫するための第一歩が連続ターンです。スノーボードはサイドウェイという、斜面に対して身体を横向きにして滑るスポーツ。ターンはつま先側(トーサイド)のエッジとかかと側(ヒールサイド)のエッジを使いながら行います。つまり、“トーサイドとヒールサイドのターンがぞれぞれできること”と、“ターンからターンへの切り替えができること”が、連続ターンのポイントになるのです。

トーサイドとヒールサイドのターンの基本!

2つのターンで体得しやすいのはヒールエッジのターンです。斜面に対して上体が開かれ視界の確保がしやすく、膝を曲げて腰を落とす姿勢を取れば雪面にエッジが入りやすくなります。スクールで生徒のお子さんによくするアドバイスは「お母さんに呼ばれたと思って振り向いてみてね」というもの。まず顔を振り向かせ、次に肩を先行させながら上体を開いていく、というイメージです。このとき腕も大きく開けると動きがダイナミックになり、よりエッジが入ってターンがしやすくなります。

一方、トーサイドのターンでは、ボードの中心に置いていた重心を、前足に移していくことでターンのきっかけを作ります。その際、ノーズの先端のさらに先を大きく回していくようなイメージで手を動かすと、身体がひねられて前足に重心が乗りやすくなります。この身体をひねるローテーション動作が効果的に使えると、ノーズから斜面を滑り降りていくようになるのです。そして顔を下げず、視線は進行方向へ送ることも大切です。

トーサイドからヒールサイド、ヒールサイドからトーサイドへの切り替えにおいては、最初は大回りのターンでゆっくりとしたリズムで行いましょう。このとき意識したいのは次の3つのポイント。「重心移動はしっかりと行う」「確かなエッジングと、そのエッジングを緩めて抜くという流れをリズミカルに」「身体をひねるローテーションを先行動作に」です。

最後にスピードについてです。最初のうちは怖さもあって低速になってしまいがちですが、自転車と同じように、ある程度のスピードがあった方がターンはしやすくなります。とはいえ、いきなりハイスピードでアプローチしても制御不能になってしまいます。そこで「サイドスリップ→ヒールエッジのターン→ボードを斜面に対して真横にして、木葉おとし→少しずつノーズを斜面下方へ落としていって、トーエッジのターンへ」というところから始め、ステップを踏みつつ、ターンを覚えていくのが良いと思います。

連続ターンができない人の共通点!

トーサイドのターンに難しさを覚える人は少なくありません。上体を山側に向けてトーエッジを効かせながらターンをするのですが、ヒールエッジへ切り替えるタイミングがつかめなかったり。ブレーキ効果を生みやすいため失速しやすく、次のヒールサイドのターンに入っていきにくいという人もいます。前者は「ずっと前足に重心を置いておくのではなくボードのセンターに戻しましょう」と伝え、後者は「エッジングを効かせたり緩めたりを繰り返して、スピードとボードのコントロールができるように意識しましょう」とアドバイスします。

またターンを連続させるポイントとして、エッジを切り替えるときには「一度直滑降の状態に戻しましょう」と伝えます。滑走面を雪面に対してフラットにして滑る直滑降は、初心者でも感覚が掴みやすいもの。その状態からトーエッジを効かす。また直滑降の状態に戻って、今度はヒールエッジを効かす。といった感じでターンを連続させていくと、重心移動やエッジの切り替えのコツが身につきやすくなると思います。

カーヴィングターンとは何か?

続いてカーヴィングターンです。よく「カーヴィングターンとは何ですか?」と聞かれますが、そのようなときは「ズレが少ないターン」と答えます。また、「スノーボードの特性を活かしたターン」ということもできます。

スノーボードを始めた頃は、倒し込んだり起こしたりと、意図的に大きくボードを動かすことはないと思います。しかし上達してスピードを出せるようになると、身体とボードを倒し込みながら高速ターンをするといったことが可能となります。このとき、ボードに備わるサイドカーブに体重が乗ることでボードは自然と半円を描き、そのターンでエッジを切り替えながらリズミカルに行うことで、連続したカーヴィングターンが行えます。ここでも「エッジング」「荷重」「ローテーション」が大事なポイントになるのは連続ターンと同様です。

ターンをする際の姿勢についても触れておきます。まずトーサイドのターンの場合、接雪していないヒールサイドのエッジから垂直に引いた線上に腰があり、その線よりも内側に重心位置があるように意識しましょう。この姿勢を保てるとターン中に生まれる遠心力と重力を利用した綺麗なターンが行えます。
一方ヒールサイドのターンでは垂直軸より腰の位置が上にいく状態自体がありません。膝を柔らかく保ち、しっかりと体重をヒールサイドのエッジに乗せられていれば綺麗にターンが行えます。

ターンしやすいボードと上達の秘訣!

連続ターンはどのボードでも楽しむことができますが、カーヴィングターンはスピードが出て遠心力も加わります。体重の3倍近くの力がボードにかかることになりますので、やや硬めのフレックス※のモデルの方が、その力を受け止め、バタつきを抑えながら滑ることができます。また、ウエスト幅の広いデザインは安定感をもたらし、長さを持たせたデザインは接雪するエッジが長くなるので、やはりライディングが安定し、カーヴィングをしやすくさせてくれます。

※「フレックス」とは、ボード全体のしなりのことをいいます。数値が高いほど硬くなります。

最後に練習方法ですが、やや斜度のある斜面を選んで、程よくスピードを出しながら、描く孤のタイトさが異なるターンをおりまぜ滑ってみるのがおすすめです。ロングターンならゆっくりと体重移動をしながら斜面に大きな弧を描けますし、ショートターンはどんどん下に落としてくような感じでボードをコントロールしていきます。ターンの種類によって滑り方は変わり、そうしていろんなターンを体得してくのが上達の近道です。

またシーズン中に1回でも良いので、ぜひスクールやプロの目線で滑りをチェックしてもらうと良い方向にスキルアップしていけます。我流のクセがついてしまうと、なかなか修正は厳しいもの。早い段階で少しでも第三者のアドバイスをもらえると、少ない苦労でのスキルアップがかないます。

第19期JSBA(日本スノーボード協会)
公認デモンストレーター

渡會那央

プロフィール
長野県出身。長野県・小海町の「シャトレーゼスキーバレー小海」にある「SISスノーボードスクール」の校長。全日本テクニカル選手権に何度も出場してきた実力者。毎シーズン開催しているカービングの極意を伝える「カービングマスターキャンプ」は丁寧なコーチングが好評。第19期JSBA(日本スノーボード協会)公認デモンストレーター。
SNS&HP
Facebook:https://www.facebook.com/nao.watarai.37
スクールHP:https://reex.sis-sbs.net/
メッセージ
シャトレーゼスキーバレー小海SISスノーボードスクール で校長をしています(^_^)
春から秋は農業の半農半Xのライフスタイルです。
農業とスノーボードに興味のある方、ぜひ遊びに来てください(^_^)

Japan SnowBoarding Association、JSBA

日本スノーボード協会(JSBA)

JSBA Official Site
https://www.jsba.or.jp/

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